 | 東屋代神領の西蓮寺には、僧形の八幡菩薩像三躰が安置されている。西蓮寺所蔵の神教寺文書によると、往古、宝亀三年に法相宗の沙門實運が、屋代徳神の大壇に一宇の祠堂を建て、宇佐八幡宮を勧定し、自ら五智如来を彫刻して八幡大菩薩の本地としたと言われている。この文書の記述がもし事実だとすると、大島に仏教が入って来た最初だといえる。また、八幡神の本地として五智如来を刻んだということは、本地垂迹説のさきがけであるともいえる。ところが、弘安年間(約七百十数年前)に徳神に大崩が起こって祠堂とともに八幡像は小松の沖まで流されたとのこと。その後この八幡像は幾多の変遷を経て、現在西蓮寺に所蔵されている。ともに木造の坐像で、仲哀天皇像(38.8cm)、応神天皇像(49.4cm)、神功皇后像(32.7cm)の三躰である。
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所在地:周防大島町東屋代
(バス(乗合タクシー)21分、郷の坪下車 徒歩10分 普通車可)